バイオ医薬品(生物製剤)関連情報

バイオ医薬品(生物製剤)、その後発版、類似薬にはさまざまなものがあります。新しいものであるため、米国でも名称が固定していないものもあります。

バイオ医薬品(生物製剤) Biologics

バイオ医薬品(生物製剤)は生きた細胞から作られるため、従来の化学化合物基盤の医薬品より分子が大きく、製造過程が複雑とされています。そのため、従来の医薬品のように後発版が作りにくいとされ、コピー版の製造コストも高いとされてきました。ただ、米欧の製薬大手は最近、従来の化学基盤の主力の治療薬の特許切れを目前にして、それらに代わる新薬の補充・上市ができずにいます。そのため、バイオ医薬品分野にも注目が集まっています。

バイオ医薬品(生物製剤)の後発版について、2010年3月23日、オバマ大統領により米国医療保険改革法が成立し、後発のバイオ医薬品についても、承認経路が整備され、導入される見通しが強まってきました。
バイオ医薬品の後発版(コピー版)は、バイオジェネリックス(biogenerics)、バイオ類似薬・バイオシミラー(biosimilar)、後発生物製剤(FOB)(follow-on biologic)などと呼び名がいろいろあります。

ただ紛らわしいのですが、以下とは区別する必要があります。

  • バイオベター(バイオ後続薬) biobetter
    バイオベターとは既存のバイオ医薬品に改良を加えたもので、既存製品と類似しているものの、既存の制度では新たなバイオ医薬品として承認申請できるほど既存品とは異なるもののこと。端的に言うと、「バイオベター」とは、安全性や有効性を改良しつつも物性を劇的に変更していない生物製剤。
  • 追加剤形 follow-on
    追加剤形とは既存製品(化学化合物基盤の医薬品)の追加として出される新しい配合・処方・剤形・力価の製品で発売前に臨床試験を行うことを義務付けられている。

ジェネリック医薬品、一般薬、後発薬

genericというのはもともと商品名に対する有効成分の名前(一般名)を指します。 Generic drugs というと 一般薬 です。後発版を作るのは一般薬(有効成分)からなので 日本の業界が、先発のブランド医薬品に対する後発版という意味でGeneric drugsを ジェネリック医薬品、というふうに呼び始めました。本来、ジェネリック薬とは一般薬と同じことです。一般薬は店頭で販売されるため、一般用医薬品(大衆薬)とも呼ばれます。

ただ後発薬メーカーが販売する医薬品のなかには、ブランドジェネリック薬 branded generics というものもあります。ブランドジェネリック薬とは、製薬大手の先発医薬品の承認を受け継いだ承継医薬品です。後発薬メーカーが、長期収載品(特許が切れた先発品で後発版がある医薬品)のブランドをそのまま引き継いで生産・販売しています。

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