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米国の製薬業界ニュース
2007.9.3
オーストリアのウィーンで1-5日まで欧州心臓学会議(ESC)が開かれています。2006年に薬物溶出ステントが地金ステントと比べ、血栓リスクを高めるとして懸念が高まり、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やボストン・サイエンティフィックなど2大大手は、売上高が低迷するなど、打撃を受けてきました。
ところがこのESC会議で2日、2006年に発表された3年間の試験結果とは異なる追跡調査が発表されました。
考えられたほど血栓のリスクを高めない可能性があるというのです。
この追跡試験は当初の3年の試験を1年間延長し患者数も増やして、薬物溶出ステントと地金ステントを埋め込んだ患者を観察したもの。その4年間の結果では両方のステントに著しい差はありませんでした。薬物溶出ステントで死亡率が1%上回っただけ。当初の3年の試験では、薬物溶出ステントの死亡率は18%増加したと発表されていました。
2007.6.4
シカゴで第43回米国がん治療学会議(ASCO)が開かれています。世界の製薬会社の開発するさまざまな抗がん剤の臨床試験結果が次々と発表される大イベントです。このASCO会議の数週間前から製薬業界の株価が怪しい動きをするとされるほど、その内容に注目が集まります。
米ブリストル・マイヤーズ・スクイブと米イムクローン・システムズが北米で共同で販売する「エルビタックス」(一般名:セツキシマブ)の欧州の試験結果では、頭頸部(けいぶ)がん患者を対象にを化学療法と併用したところ、患者の生存率が伸びたという結果が示されています。エルビタックスは、北米以外ではドイツのメルクが販売しています。
米ジェネンテックの抗がん剤「アバスチン」をインターフェロン・アルファ2aと併用投与した第3相臨床試験では、転移性腎細胞がん(mRCC)患者の無増悪生存率(PFS)の中央値が59%改善したと発表しています。
米ファイザーのアクシチニブは甲状腺がん患者の腫瘍を31−68%縮小させたとする小規模試験の結果も注目されました。アクシチニブは腫瘍に栄養を補給する血管の構築を阻止する抗血管新生剤で、1日2回服用の錠剤。静脈注射で投与される米ジェネンテックの「アバスチン」と同類薬です。
2007.4.4
スイスの製薬大手ロシュ・ホールディングの抗インフルエンザ薬「タミフル」。小児における自殺などとの関連性が疑われ、警告がでていることなど記憶に新しい。鳥インフルエンザの菌株が突然変異し、人から人へ感染にするような形に変化した場合に備え、世界各国で政府が備蓄をしてきた。
そんな中、日本でタミフルが効きにくいB型インフルエンザウイルスが発見され、うち一部は耐性を持つウイルスが人から人へ感染したとみられると発表された。東京大医科学研究所の河岡義裕教授と「けいゆう病院」(横浜市西区)の菅谷憲夫小児科部長らが突き止めた。人から人への感染で耐性ウイルスの広がりが確認されたのはこれが初めてとなる。このウイルスが広がれば、タミフルでの治療が難しくなる。4日付の米医師会雑誌に掲載された。
耐性ウイルスはA型インフルエンザですでに見つかっているが、河岡教授らは04〜05年の流行シーズンに、B型インフルエンザ患者422人からウイルスを採取して調査したところ、7人(1.7%)から、タミフルの耐性ウイルスが見つかった。この7人はタミフルを服用していなかった。つまり患者の体内で耐性を得たのでなく、身近な人から感染した可能性が高いという。
2007.3.26
最近になり薬物溶出ステントが血栓リスクの懸念で市場シェアが低迷している。ステントを埋め込んだ後の再狭窄や再手術の確率を減少させるため薬物を塗布してある新型ステントとされ、薬物溶出ステントは一時、米国で医師の圧倒的な支持を得ていたが、最近になり、従来型の地金ステントと比べ、血栓形成リスクが高まるとするデータを受け、医師は地金ステントに切り替え始めている。
そんな中、米アボット・ラボラトリーズの薬物溶出ステント「ザイエンス」(Xience)が第III相試験で地金ステントと比べ統計的有意な結果を示した。
また薬物溶出ステントの血栓の懸念が、抗血小板薬の需要に火をつけている。代表的な製品である米ブリストル・マイヤーズの「プラビックス」が現在抗血小板薬市場では支配的だが、競合他社は同薬に優る新薬を上市しようと懸命になっている。出血のリスクを抑え、単価の割安な抗血小板薬が登場すれば、年間売上高10億ドル以上のブロックバスターとなるのも夢ではない。