医薬翻訳者になるには

ここで対象とするのは、大学は文系あるいは理系で、製薬業界など、専門分野での実務経験がない方です。

そんな人でもなれるのか、そこが皆さんの知りたいところだと思います。

文系出身の場合は語学力を高め、その後に専門知識を習得するという順番。理系の場合は専門性がすでにある程度あるので、それをベースに、語学力を高めるという順序になると思います。

勉強法

専門知識のまったくない文系出身の場合を想定してみます。

医薬関連の文書の翻訳を発注するのは8割は製薬会社です。これを踏まえると製薬会社に入社する文系出身の学生がどうやって知識を身につけているか、に注目します。最適なのは、MR(医学情報担当者)となるための研修テキストです。そこには薬科大学で学ぶ基礎的な知識も含めた内容が書かれているため、これを一通り読んでみるのは重要と思います。

さらに、医学文献の多読、これが重要です。医学・薬学の分野でどのような表現が使われているかに慣れることが最優先です。

The New England Journal of Medicine (NEJM)のサイトと、南江堂のウェブサイトのNEJMの日本語での抄録(アブストラクト)とを読み比べると非常に勉強になります。

日本人であれば英文和訳の仕事が多いと思います。しかし私は和文英訳専門の医薬翻訳者となりました。これは医薬翻訳会社で、英文の校正担当だったことがきっかけです。翻訳者の訳した大量の医薬関連の英文に触れ、原文の日本語と照らし合わせるうち、業界で使用されている用語も自然と身についたという経緯があります。英和、和英の両方こなせる翻訳者を目指したいものです。

いうまでもありませんが、翻訳家を目指す方は英検1級以上、あるいはそれに相当するTOEIC、TOEFLのスコアがあることが前提となります。そこまで達していない場合、まず英語の「基礎体力」をつけましょう。

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