お役立ち情報
FDAや、米国の製薬業界の情報を提供します。
FDAとは
FDAとは米食品医薬品局(FDA)のことです。米国の厚生省にあたるDepartment of Health and Human Services(DHHS)に属しています。
FDAが所管するのが1938年に制定された薬事法規である「食品、薬品および化粧品に関する法律」(FD&C Act)です。FDAはこの法律により、食品、薬品、医療機器および化粧品の審査、許認可、安全性・有効性の確保など、薬事行政を行います。
FDAを構成する組織
- 医薬品評価・研究センター
(Center for Drug Evaluation and Research:CDER) - 生物製剤評価・研究センター
(Center for Biologics Evaluation and Research:CBER) - 規制事業部
(Office of Regulatory Affairs :ORA) - 医療機器・放射線保健センター
(Center for Devices and Radiological Health:CDRH) - 食品安全・応用栄養センター
(Center for Food Safety and Applied Nutrition:CFSAN) - 動物薬センター
(Center for Veterinary Medicine:CVM) - 国立毒性研究センター
(National Center for Toxicological Research:NCTR)
FDAの制度
FDAにはさまざまな審査制度があります。
- 「ファストトラック」(優先承認審査制度)
Fast-track designation
完治が難しい疾患に対し、高い治療効果が期待できそうな新薬をFDAが優先的に審査する制度。1997年のFDA近代化法により、ファストトラック指定を受けると、新薬承認申請(NDA)の提出前や申請途中にもFDAとの協議が促進される。また試験結果が入手でき次第、FDAに提出できるローリング・ベース(締め切りがない)でNDAを申請できる。FDAは全データの提出を待たず、試験結果が提出されるごとにこれを審査するもの。場合によっては審査期間が短縮される「優先審査」の指定を受ける可能性もある。
- 迅速承認制度
Accelerated drug approval program、
Expedited proceduresとも呼ばれる。
重篤または生命を脅かす疾患に用いる新薬を対象とし、臨床効果が代用評価項目による評価で有効であることが見極められたときには早期に新薬としての承認を与える制度。この制度による承認では新薬の有効性を市販後も調査することが義務付けられている。迅速承認制度の一環として、FDAは市販後調査で有効性が示されなかった場合、医薬品を市場から撤回する権利がある。
- 医薬品優先審査方針
Priority review policy
この指定を受けると審査期間が通常10カ月のところ6カ月に短縮される。既市販薬あるいは既承認薬と比較して、何らかの治療上の進歩をもたらす可能性のある医薬品を優先的に審査しようというもの
- オーファンドラッグ(米希少疾病用医薬品法)
Orphan drug designation
オーファンドラッグは、患者数20万人以下の希少疾病の新薬の開発を促進するためFDAが与えるもので、指定を受けると米国では7年間の先発権保護が与えられる。その他に臨床試験費を負担する米国政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査の支援がある。
FDAは、オーファンドラッグに指定した製品について指定した希少疾患においては7年間、簡略承認申請(ANDA)、新薬承認申請(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)などの他の申請を承認することは禁止されている。ただし、オーファンドラッグに指定された製品と同じ希少疾患について、化学構造が異なるか臨床的に優れている別の製品が存在する場合、この2番目の製品の承認も許可され、独自のオーファンドラッグ指定を受けてもよいことになっている。
★ちなみに
欧州ではオーファン医薬品(OMP)と呼ばれ、 欧州では10年の先発権保護が認められている。発売後5年で「十分に収益性がある」とみなされれば、これを6年に短縮することを許可している。=EUオーファンドラッグ規則第8条